給料が上がらない理由【宅配水業界】

くまおさんブランドで幾つかサイトを運営しています。
レギュラーサイトは主にユーザー向けであり、こちらのサイトは業界関係者や業界に興味を持っている人向けです。
前もって言っておきますが4月入社の新入社員はこの記事は読まないほうがいいです。やる気がなくなります。
そんなこと言ったら余計読みたくなるのが人の心理ですが(笑)読むと後悔するからね!

という事でseoなどは特に気にせず、くまおさんの見解や提言などを勝手に記事にしています。
今回のテーマは宅配水業界の給与について。

くまおさんは元業界人です。当時は給料を上げるためにはどうしたらよいのかを普段から考えて仕事で結果を出すように頑張ったり、上司に噛みついてみたり、幹部に歩合給の交渉をしたりしていました。
ただ意見するだけでは通らないと思っていたので、利益率等を考慮して「〇〇売り上げたら〇〇下さい。」等の提案を同時に行っていました。数年間言い続けましたが結果としてはゼロ回答。
その後は全体的に会社売上が横ばいで、社内経費が増大したことから給与自体は微減し続けました。

そこでくまおさんが考えたことや疑問に思ったこと、そもそも給料は上がるのか?と自問自答したところ「給料は上がらない」という回答にたどり着き、今後につながる特殊スキルも特には見込めない為メーカーを退職する決断をしました。※実際にはいくつかの理由が重なっているのですが、ベースの理由は給与が上がらない仕組みです。

給料の安い仕事とはどんな仕事でしょうか?それは専門スキルが不要な単純労働です。
誰でもできる仕事なので雇用側から買いたたかれてしまいます。
現在では人がやりたがらない仕事がこの位置にいます。例えば介護、配送、清掃などです。本来であれば人がやりたがらない仕事は給料が上昇します。しかし上記のような業種の給料はなかなか上昇しません。
なぜなら、お金には困っているけれども能力不足ゆえにそれら以外の仕事に就労できないという人が必ず一定数以上存在するからです。それらの人が就業する為、給料は低いまま止まってしまいます。

先日、マクドナルド等のアルバイト時給を上げろというデモ行進がニュースになっていましたが、解決策はデモ行進ではなく退職です。今の時給で仕事をしてしまうから時給が上がらないのです。

ではこれらの仕事と宅配水業界の仕事を比べてみようと思います。給料の上がらない業種の特徴です。
ちなみに、上記仕事よりは宅配水業界本部の待遇は良いです。それを前提に読んでください。※代理店の勤務場合似たようなものかもしれませんが・・・。

  • きつい仕事である
  • 誰でもできる仕事である
  • 世間から偏見の目で見られやすい
  • 単純作業・単純労働である

こんなところでしょうか?
では宅配水業界と比べてみます。

 

きつい仕事である
これは肉体的な面と精神的な面が考えられます。ウォーターサーバーの配送員は肉体的に大変です。荷物が重いので一生続けられる仕事ではありません。また返却用のサーバーは汚れがひどいものもあるので、清潔とは言いにくいです。
セールスの場合は客単価が低い為、多くの顧客獲得を行う必要があり精神的にきついです。短い期間なら耐えられますがそれを何年も続けるには強靭な精神力が必要です。とはいえ新規開拓のセールスはどこでも似たようなものですが。。。

 

誰にでもできる仕事である
宅配水業界は商品が単純なため誰でもできる仕事です。日本語が正しく話せれば概ねOKです。

 

世間から偏見の目で見られやすい
これはどうかな・・・?こんな事を書くと業界関係者から怒られそうですが、少なくともくまおさんは友人に言うのが少し恥ずかしかったです。くまおさんは本部員だったので「フランチャイズ本部で代理店管理の仕事をしている」と言ってオブラートに包んでいました。
ですから現場セールスマンや配送員の方は「水の営業をしている」「水の配送をしている」と言う事になるのであまり響きはよくありません。本部直営ならなまだいいのですが代理店ともなると更に言いにくくなります。

業界関係者の反論はあるかもしれませんが、くまおさんが事実としてそのように感じていたので、そういう事です。

 

単純作業・単純労働である
宅配水業界には様々な職種があるのですが多くの場合は単純労働・単純作業です。工場勤務の生産担当は単純労働ですし、配送担当も基本的には単純労働です。
セールス担当も商品が単純であり1アイテムしかない為単純作業の繰り返しとなります。

本部員は仕事内容が管理や企画に携わることもある為、単純労働ばかりではないのですがどうしても単純労働側の給与基準に引っ張られてしまう為、枠組みとしては同じ分類になります。

上記の比較からわかるように宅配水業界は給料の上がらない業種とほぼ共通することがわかります。
一般的に敷居が高い仕事ほど待遇が良く、誰でも参入できる敷居の低い仕事ほど待遇が悪くなる傾向があります。

上記のような内容を鑑みて業界内部にとどまることは得策ではないなとくまおさんは考えました。そして退職しました。
現在でも当時の関係者とは連絡を取り合っています。
やはり給与状況は改善されることはなく、むしろ若干減少しているそうです。

宅配水業界で大きな利益を得ているのは、先行者です。ひとが手を出すもっと前から事業参入しリスクをとり震災特需を乗り越えて現在を迎えている企業のオーナーは先行者利益を享受しています。その様なオーナーは頭が良いのでこの手の事業には大資本はなかなか参入してこないという事をよんでいたのでしょう。

いずれにしても、これから宅配水業界へ飛び込もうと考えている人は上記記事を十分に吟味することをお勧めします。
幹部クラスでヘッドハンティングされるなら良いかもしれませんが、末端労働者として入社することはあまり賢い選択とは言えません。

話はそれますが、ヤマト運輸の値上げ報道に伴い従業員の待遇改善が期待されています。正しい方向へ進んでゆくことを望んでいます。
しかし、ここで同時に考えておかなければならない事もあります。それは無人化です。
宅配便の需要は今後も伸び続けるでしょう。しかし給料の上がりにくく、きつい仕事(※昔はドライバーの給料は高かった)は担い手が増えません。各企業はそれらを補うために自動運転やaiなどへの資金投下を行いそれらの仕事を奪い去るでしょう。

ウォーターサーバーの配送員や工場作業員も同様です。将来的にはロボットに置き換えられてしまう可能性が十分にあります。その時に転職できるだけのスキルが身についていないと悲惨なことになります。
しかし残念ながら単純労働ではそれらスキルが身につくことはありません。

セールスマンも同じです。営業はどこでも食べてゆけると思われがちですが、営業という職種はわかりやすい評価基準がない為転職市場では評価されません。法人セールス経験者は多少マシですが、個人営業担当者は全く評価されません。
くまおさんは比較的若いうちに転職活動を行いましたが、それでも厚待遇の会社はほぼありませんでした。

業界内で転職できればまだ良いのですが、宅配水業界は閉鎖的であり人材の流動性がないのでそれも叶いません。

宅配水業界で給料を上げるには出世する以外に方法ないというのがくまおさんの結論です。
そして出世するには様々な要素で戦わなければならず、時間もかかる為くまおさんはその戦いからはリタイアしました。
不毛感を感じてしまったからです。

世間を見渡せば様々な仕事があるので宅配水業界にこだわる必要はないと思います。
すでに業界内で頭打ち感があり、不毛感を感じているなら次のステージへ進むことをお勧めします。また、会社にしがみつくという決断をすることも選択肢の一つです。不況には強い業種ですから。いずれにしても会社に対して待遇改善を訴えても、先に書いた理由からそれは実現しません。社会の仕組み上、変われないのですから待遇改善のデモはあまり意味がありません。

これから宅配水業界に飛び込む人は、給料を上げたいならば出世を目指しましょう。どのような結果を残せば出世できるのかを常に考えながら仕事に取り組むことが求められます。

この記事を書いているのは2017年4月18日です。ウォーターサーバーの現場セールスマンがそろそろ力尽きてきて、ウォーターサーバー営業関係の記事をスマホで調べ始めます。するとくまおさんのサイトに運悪く出会ってしまう(笑)のです。

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