プレミアムウォーター最強説
2016年7月にクリティアとプレミアムウォーターが統合しました。
プレミアムウォーターの母体企業はFLCという会社で、元々通信系営業会社です。俗にいう光通信系イケイケブラック企業。
クリティアはフレシャスの創業者である粟井氏が設立に携わり、その後投資ファンドリヴァンプの手により上場し、光通信が買収した会社です。
新会社ではプレミアムウォーターの社長が代表に就任し、その他のボードメンバーも猛者揃い。イケイケ企業の様相を呈しています。おそらく現時点ではウォーターサーバー業界最強のボードメンバーではないでしょうか。
親会社である光通信ですが、くまおさんはその関連会社であるアイディールウォーターのコールセンターへ行ったことがあります。アイディールとは光通信がクリティア買収前にクリティアと作った合弁会社用に立ち上げたブランドで、製品はクリティアのものをそのまま流用しています。
その会社が比較的順調だったこともあり、光通信はクリティア本体の買収を決定したのだと思います。
コールセンターへ訪問して色々と説明してもらい、下記のような感想を持ちました。
「この会社には勝てないな・・・。」
光通信は億単位の顧客電話番号を有しており、それらリストの管理に年間数億円をかけています。ウェブ上の独自システムで連携されていてアポインターはそれらの情報を元に顧客にセールスを行います。
セールスはしっかりとしていて、デメリットもきっちりと説明しています。そこで疑問思ったので質問をしました。
「そんなにしっかり言ったら契約を逃しませんか?逃げちゃいませんか?」
回答がこちら。
「それで逃れてしまうような人とは契約しません。そこまで言っても契約してくれる人とだけ契約します。」
すごい・・・。この言葉の裏に隠れた本当の意味が分かる人はブラック企業経験者です(笑)
額面通りに「しっかりとデメリットも伝える誠実な営業をしている」と受け取るようでは営業センスがありません。
これは噛み砕くと下記のような意味です。
「その位強く言っても問題ないような、ゆるいお客様だけと契約します。そういった方は一定数存在しますし、その後の解約率も低くなります。難しいお客様は相手にしません。」
営業経験者であればわかると思いますが、難しいお客様でも簡単なお客様でも売上は同じです。それであれば難しいお客様で消耗する前に次のお客様を探しにゆこうという考え方です。
これは一般的なセールスのセオリーからはそれます。通常は下記のように教育されます。
「商品を売る前にまず自分を売れ。自分を信用してもらったら真心込めて、誠意を伝える。そうすれば必ず伝わる。パッションが大事だ。」
はいはい・・・。こういった時代錯誤的セールスプログラムで教育されている会社が大半ではないでしょうか?その辺りが光通信ははっきりしています。割り切りが素晴らしい。
彼らが持っている数億番号は「過去に光通信からサービスを契約した人」の番号です。これが何を意味するのか。これは「営業されると買っちゃう人」のリストと言い換えることが出来ます。
詐欺で騙される人って何度も騙される事を知っていますか?訪販で物を買う人って何度も買うことを知っていますか?テレビ通販が好きな人ってリピーターなのを知っていますか?
お金があるかないか、所得が高いか低いか等は関係ありません。財布の紐がゆるいかそうでないかという言い方もできます。
お金がないのに携帯ゲームで課金してしまう廃課金者。そういう人が買うのです。
光通信の番号リストにエントリーされている人は比較的財布お紐がゆるいと判断されます。その為何度でも営業をかけられてしまうのです。
そしてここからはもう確率の問題です。「なんでも簡単に契約する人」は一定の確率で必ず存在するのでその人に早く巡りあうためには行動量がものを言います。光通信はその行動量をアルバイトやパート、契約社員で調達しています。
いくら光通信のリストでも皆が契約してくれることはなく、ほとんどの人が断ります。その為テレアポインターは疲弊します。疲弊すると周りにも悪影響をおよぼす為、そうなってくると入れ替えです。
光通信の採用に関しては詳しく知らないのですが、おそらく多少高額の給料体系で釣り上げるのではないでしょうか?
目の前に人参をぶら下げて、おしりに火をつけるという伝統的な営業会社のモチベーション維持手法です。くまおさんもそういう会社に在籍していたことがあり、効果は知っています。かなり効きます。ただ疲弊します。
くまおさんもやらされた経験があります・・・当時の会社幹部に・・・
「おい、くまお、お前もリーダーになった。部下の使い方を覚える必要がある。まず部下をキャバクラに連れて行って飲み食いさせてやれ。そうするとそいつらは自分のカネでキャバクラに通いだす。間も無くすると金欠になる。消費者金融に手を出す奴も出るだろう。そこでお前が営業コミッションでモチベーションを上げてやるんだ。そうすると部下は馬車馬のように働かざるをえない。その中で這い上がってきた奴が次のリーダー候補だ。」
ウォーターサーバーメーカーの中にはそれと近い会社も存在します。しかし業界がメジャーになるに連れてそういったブラックな手法を排除して「安心・安全・顧客サービス・満足度・高齢者・妊婦・赤ちゃん子供・女性」と言ったホワイトな標語を掲げるようになり営業力が衰退します。
見渡す限り、ウォーターサーバー業界でそういった色が全面に出ているのは2016年8月現在では、プレミアムウォーターとフレシャス位です。その他のメーカーはとても上品になりました。まもなく失速するでしょう。
フレシャスはauと資本提携したので、営業臭がとても強くなりました。
全国のauショップの若いお姉さんお兄さんがよくわからずにガンガン売っています。クレームの嵐だと思いますがそれでも顧客が増えていることは事実ですし、中には満足度の高いユーザーもいるでしょう。
全国auショップVS光通信コールセンター
どちらが強いかな・・・くまおさんの予想では光通信が勝つと思います。戦力補充法が洗練されすぎているので無敵感がすごいです。
経費のかけどころを心得ている気もします。
ネットでの販促においては面を増やすべく、高額報酬をばら撒いています。他社とは比べ物にならない位高額なので一定の効果が有るはずです。
また、サーバー開発には目もくれず業務提携や携帯アプリの開発等に資金を回しています。
顧客満足度向上よりも、顧客獲得数向上に集中しているからだと考えられて、潔いです。
営業会社として極めて潔いです。ただし・・・入社したいとは思いません。
内部者は結構大変だと思います。プレッシャーはキツイでしょうし、まだ認知度は低いメーカーなので獲得難易度も高いでしょう。これ系の会社は幹部以外は給料が低いので離職者も多いはずです。
兵隊の屍の上に成り立っているのが営業会社です。
この夏、プレミアムウォーターはどのくらい顧客数を伸ばすか見ものです。
そうそう、ユーザーから聞いた話ですがプレミアムウォーターがイオンの出禁をくらったそうです。
そのユーザーはプレミアムウォーターをイオンで契約申し込みしたところ、その後すぐに全く関係のない保険会社から保険契約の電話があり個人情報の出処を辿ったところ、プレミアムウォーターだったとのこと。
プレミアムウォーターの利用規約の最後の方に、グループ内での情報共有の1文がありユーザー情報が利用されたそうです。
それをイオンに伝えたところ、悪質だと判断されて今後一切全国のイオンでのイベント営業を禁止するという措置をとるという事になったと報告されたようです。
そのユーザーがイオンから書面で回答をもらったと、くまおさんに連絡がありました。
でも・・・イベントまだやっているっぽいんですよね。イオンもイオンリテールやイオンモール、イオン北海道等幾つかの資本に分かれており、それら同士はあまり中が良くないと聞いています。
ですから全てのイオンモールで出禁にはなっていないかもしれませんね。
これまでプレミアムウォーター最強説を唱えてきましたが、不安定要素も多々あると思います。
光通信に限らず営業会社は人員の移動が激しいので、プレミアムウォーターへの注力が途中で打ち切られることも十分に考えられます。社長以下幹部がガラッと入れ替わることもあり得るでしょう。
ですからそういった面では他社よりも不安定だと思います。
短期決戦でプレミアムウォーターがどのくらいの影響力を発揮するのかが、今後の業界トレンドを左右するでしょ。
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