コスモウォーターの代理店は儲かるのか?
あるコスモウォーターOEMメーカー幹部と懇意にしていたことが有りました。
色々と教えてもらったのですが、かなりの資金と時間が必要な事業だと言っていました。
結論から先に言うと、ネット集客が出来ない会社では儲からないでしょう。
人海戦術での顧客獲得を想定しているならばほぼ失敗します。
ウォーターサーバー事業は先行赤字型事業です。そしてその会社はとても営業の得意な会社でした。しかしそれでも顧客獲得には多少苦戦していましたね。コスモウォーターは無料サンプル制度がないので素人では獲得が困難です。
この会社はOEMなので自社ブランドで展開しているため、ネットからの申し込みも獲得できるメーカーでした。
それでも先行赤字は大きくなるため、現金稼ぎのために自社顧客ではなくコスモウォーター顧客を獲得して獲得報酬で事業を回している時期もありました。営業の強い会社はこの様な事が可能です。
プレミアムウォーターもライバルであるコスモウォーターの販促活動を手がけています。
要するに・・・営業もかなりのプロじゃないと難しいですし、OEMでも利益を出すのは結構大変な事業であるといえます。
代理店になるならリターナブルの方がおすすめだと思います。
コスモウォーターはワンウェイメーカーなので、販売代理店の主な業務は“顧客獲得業務”となります。これは顧客を獲得してコスモウォーターに受け渡すことで、報酬を得る仕組みです。
代理店で多い業種はネット回線系の営業会社です。これまでフレッツや携帯電話販売等を行っていた代理店が多いようです。これらの会社はフレッツなどの営業で3〜7万円程度の契約報酬を手に入れていたようですが、流石にウォーターサーバーはそこまで報酬は高くありません。低いところだと1万円程度の場合も有ります。一部7万円程度で顧客権を売買していることもあるようですが、概ね最高額で3万円程度でしょう。
コスモウォーターには販売代理店の形態がいくつか存在しています。そのいずれも加盟金やロイヤリティはありません。研修も特に用意されていないようです。
タイプとしては
1.一発報酬タイプ
2.一発報酬+継続報酬タイプ
3.継続報酬タイプ
の3種類が設定されています。
いずれの報酬タイプでもコスモウォーターが吐き出す報酬金額には概ね上限が有ります。
これはその会社によって金額が変わるようです。ただし上限はLTVから算出されています。
くまおさんがかつて訪問販売の会社で営業をしていた際の同僚が会社を立ち上げて、コスモウォーターの代理店になりましたが、その際に提示されていた金額も都度変動していました。
その彼はタイプ2を選択して、獲得報酬+継続フィーを選択していました。報酬合計は3万円程度だと考えられます。
さて、これらの販売代理店条件で販売代理店は儲かるのでしょうか?
これは・・・かなり厳しい、というか・・・ほとんどの会社が儲からないと思います。
では儲からない仕組みをお教えいたします。ただし、これはあくまでも大半の会社に当てはまるだけで、中には上手くゆく会社もあると思います。ちなみに、ここで想定している販売代理店は“現場営業”をベースに考えます。ネット営業まで含めると十分に利益を出せる会社も存在します。
まず、顧客が獲得できるのかを考えてみましょう。
コスモウォーターは俗にいう“無料サンプル”制度を導入していません。いきなり契約を獲得する必要があります。しかも契約すると解約金が設定されているため1〜2年程度解約することが出来ません。これらの諸条件があるために対面での顧客獲得は難易度が高くなっています。
多くの販売代理店候補者が考えている顧客獲得ストーリーの中に、イオンやららぽーとなどのショッピングモールでの試飲イベントというものがあります。みなさんも見かけたことがあるかもしれませんが休日は家族連れに人気で、それなりの獲得件数が見込めます。
しかし、イベント営業には洗練された営業スキルが必要な上に場所代も数十万円単位(土日2日間)で発生します。
簡単にシミュレートしてみます。
例えば場所代が20万円、販促員3名で稼働したと仮定します。
販促員はアルバイト程度のスキルでは獲得が難しいため、スキルを習得している社員だと仮定します。そしてその社員の日給を概ね2万円だと仮定します。
すると3日間の最低費用が、20万+3人✕2日✕2万円=32万円です。
それなりのスキルの販促員でも1日3〜5軒獲得できれば上出来です。というか、かなりすごいです。そうなると最高獲得件数が30軒ということになります。※実際にはこの3分の1獲得できればいいほうだと思います。
すると獲得コストが1万円ちょっとですね。
仮にコスモウォーターから3万円の販促費用を得たとすると1件あたり2万円の儲けになりますので、2日間で60万円の利益が出せることになります。おーーーーこれは儲かる!・・・・とはなりません。。。
まず、3万円の報酬が発生するのは一部のトップ代理店だけでしょう。
そして毎日5軒コスモウォーターを契約できるトップセールスマンはめったにいません。そしてそんなに優秀な人間は日給2万円では雇えません。あわせて、社員の場合月給制となりますので顧客獲得が難しい平日も給料が発生します。
イベント営業以外でコスモウォーターを獲得するのは極めて困難です。
コスモウォーターはクリクラやアクアクララのようにサンプル営業は行わないため、実物を持ち歩くことが出来ません。もしも平日にお客様と出会う機会があるような営業場面に遭遇しても実物がないためチラシだけで説明することになります。
他の記事でも書きましたがウォーターサーバーは「無くても生活に困ることがない商品」なので、訴求効果はあまり高くないのです。ですからチラシだけでの契約はほぼ無理でしょう。
これは、その他の場面でも同じです。例えばあなたがクリーング店舗を運営しているとしましょう。
コスモウォーターを利用する可能性の高いファミリー層の30代主婦が旦那様のスーツクリーニングを依頼しにきたとします。そこですかさずウォーターサーバーの紹介をします。しかし・・・契約になることはほとんどありません。何故なら“必要ない”からです。
この様な事を色々と加味すると、コスモウォーターの販売代理店をそれ単体で専業で行うことはほぼ不可能であると結論付けられます。
単体で行っても従業員の給料を出せるほど顧客獲得が出来ないからです。それであれば副業で考えるというオーナーもいることでしょう。
しかし、ウォーターサーバーは副業で片手間で顧客獲得が出来るほど簡単ではありません。その理由は、何度も繰り返しますが“無くても問題ない商品”だからです。
ウォーターサーバーはイメージの良い商品なのでなんとなく売れるような気がするのですが、実際に活動すると売れにくい事がよく分かります。先程述べた私の友人は約1年でコスモウォーターの代理店をやめました。
人件費分の赤字を吐き出しての撤退です。かなり営業の強い会社でしたが彼でも無理でした。
ちなみに、よくご相談いただくケースでフレッツなどのガチガチブラック系や太陽光やリフォーム営業等の訪販エリート企業がウォーターサーバー業界に目を向けることが有ります。その際にコスモウォーターのワンウェイは参入ハードルがほぼゼロなので興味を持つようです。
それらの会社が考える事で「従業員の逃し場所」という考え方があります。どういう事かというと、本業でなかなか結果が出ない従業員をウォーターサーバーにまわせば多少は顧客獲得が出来るのではないか?という考え方です。本業の商品よりは金額も低額で市場も飽和しておらずイメージも悪くないため、売れるような気がするのです。
しかし、実際には本業で売れない担当者はウォーターサーバーを担当しても売れるようになならないという当然の結末が待っています。
そう、当然の結果です。売れない担当者は何を売っても売れません。
コスモウォーターで最も成功しやすい代理店のパターンはネット販売でしょう。
これもおそらく最高報酬で3万円程度が用意されていると推測できます。
ウォーターサーバーのネット集客は完全なるレッドオーシャンですが、そのレッドオーシャンで戦うスキルが有るならば大きく稼げる可能性は有ります。ですから、コスモウォーターの販売代理店になるならばネット集客が出来ることが最低条件です。
人海戦術で実施するにはコスト倒れの可能性がとても高い代理店事業ということになります。
リターナブルと違いサーバーを購入する必要もなく、配達の必要もないため一見すると条件のいい代理店事業に見えるかもしれませんがなかなか難しいです。
これはコスモウォーターに限らずワンウェイ系のウォーターサーバー代理店は概ね同じ条件です。むしろコスモウォーターの条件が一番有利でしょう。
販売代理店の最も有利な条件はOEMでの自社ブランド化です。多くの会社がコスモウォーターからOEM供給を受けています。
くまおさんは、あるコスモウォーターのOEMブランドの幹部を知っていますが、顧客が数万軒単位であっても黒字化していません。キャッシュフローが極めて悪いのです。
また、最近ではフレシャスの最有力OEMであるキリンビバレッジが事業撤退を発表しました。その他にもクリティアのOEMである九州の西部ガスという大型企業が事業撤退をしクリティアに事業を売却しています。
販売代理店の最も有利な事業形態のOEMでさえ撤退する始末ですから、副業で事業参入しようと言う甘い考えではまず上手くゆかないでしょう。
ストックビジネスでの継続報酬に魅力を感じて参入を検討している方もいるかもしれませんが、ストックビジネスの旨味を教授できるのではあくまでも自社顧客として囲った場合であって、手数料をもらう程度では全く旨味はありません。
くまおさんは某メーカー在籍時にコスモウォーターの販売代理店を検討している会社には上記のようなことを丁寧に教えていました。それでも幾つかの会社はコスモウォーターの販売代理店になり、その後を追跡するとほぼ100%撤退していました。
ということで、コスモウォーターの代理店はあまりおすすめしません。というか、ワンウェイでの獲得代理はメーカー側から見れば有利ですが、販売代理店が長い間利益を出し続けることが出来るビジネスモデルとして設計されていませんので参入をやめましょう。
ここまで読んでも参入するという方は頑張ってください。くまおさんの言うことも100%ではありませんので成功するかもしれません。
もしも、くまおさんに相談したい方は下記よりどうぞ。
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