クリクラは成長をひとまず諦めたらしい。

クリクラを擁するナック社の2018年3月期第2四半期決算短信を見てみました。
会社全体では若干の下方修正をしたものの比較的堅調に事業推移しているのかなという内容です。さて、くまおさんの興味があるのはクリクラ事業に関してなので、そちらを確認してみました。

売上はここ数年横ばい・・・というかやや減少傾向にあり、新規需要開拓には成功していない様子が見て取れます。しかし、利益面では大幅に改善していることがうかがえます。内容を読んでみると販促費の見直しが大きいようです。
クリクラはリターナブル事業を中心に展開している為、人件費には手を付けにくいという事情があるので、おそらく広告費の削減が主な利益源泉だと考えられます。

TVCMは今年も流れていましたので、その他全体的にコストの最適化を図ったのかもしれません。この判断は正しいでしょう。というのもクリクラをはじめとしたリターナブルメーカーにとって現在のマーケットは冬の時代です。ウェブ戦略で出遅れているクリクラはコスモウォーター等の先行事業に手も足も出ない状態が続いています。
今までは中途半端に手を出して、結果が出なかったことを考えるとここらで広告費の最適化を図るのは正しい選択でしょう。規模が大きい分無駄も多かったはずなので収支は改善傾向です。
なお、この状況はクリクラだけに限らず2016年にはうるのんを運営するTOKAIも同じような選択をしています。アクアクララは決算を公表していませんがおそらく同じような方向性でしょう。リターナブルメーカーで少し事情が異なるのがトーエルですが、こちらは元々販促費が売り上げ規模に対して小さい会社であり、手堅く事業継続しているイメージです。要するにリターナブルメーカーはどこも同じような状態であるといえます。

しかしこの利益改善は顧客増加を含まないものであり、アニュアルレポートを読む限りは、販促費最適化と客単価向上、解約率改善が理由とされています。この状態で売り上げ自体は減少しているという事ですから、実質の顧客数は下降傾向であると読み解けます。またここ数年のアニュアルレポートでは加盟店に関する販売不振に毎年言及しています。そう、毎年です。
これは業界最大の代理店組織を持っているクリクラ加盟店の影響力低下を意味しています。要するに加盟店は新規顧客開拓をするだけの営業力がないのでしょう。既存加盟店は頭打ちになり、新規加盟店募集も積極的に実施していないという事になると、加盟店施策も改善は難しいと推測されます。こちらも全体的に下降傾向です。おそらく地方の加盟店等はワンウェイとの対抗策を見出せずにいます。なぜなら本部員も理由がわからず、当然対抗策は思いつかないからです。
この手の低リテラシービジネスに従事している担当者は往々にしてウェブマーケティングに関して疎いので、自らの置かれているウェブ上での事象を理解さえできていないと思います。これはクリクラに限ったことではありませんが・・・。

加盟店運営全体に鬱蒼とした空気が漂っていることは想像に難しくありません。ドンマイ、加盟店!

それと、昨年まで言及されていたクリクラミオに対しての言及がなくなりました。くまおさんの別記事にも記載していますが、クリクラミオは条件改悪により、クリクラ本体から見放された感があります。これにより昨年まで売り上げ維持に寄与していたクリクラミオがじりじり顧客を失ってゆくことでしょう。

上記と考慮すると、現在のクリクラは八方ふさがりで打つ手がない状況であると読み取れます。昨年まではそれでも四方八方に手を出して利益を圧縮していましたが今期はそれも諦めたようです。

別の方面から考えると他メーカーはクリクラ顧客をひっくり返すチャンスだといえます。
さあ、どうするクリクラ?

全く関係のない話ですが、一昨日、木枯らしが吹く近所の公園に行きました。
くまおさんは日曜日夕方の公園に漂っているアンニュイな空気が好きです。この空気が子供の頃は嫌いでした。でも、大人になって子供が生まれてから、この少しどんよりした空気感が好きになりました。
我が家の長男にこの話をしたところ、日曜夕方の空気は嫌いだとの事です。「なんだか泣きたくなるような感じ」がすると言っています。わかる気がします。
これと同じ雰囲気を感じるのが大分麦焼酎二階堂のTVCMです。あのノスタルジックなCMが好きです。

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