クリクラの代理店は儲かるのか?

結論から言うと、95%位は儲かりません。残りの5%くらいは儲かります。
これはクリクラに限らずフランチャイズ全般に言えますよね。

どこから刺してゆこうかな~と考えて、まずクリクラからつついてみようと思います。
クリクラは言わずと知れた業界のリーディングカンパニーです。
ウォーターサーバー事業に参入を検討している人であればこの位は認識している必要があります。コスモウォーターやアクアクララが1位だと勘違いしている人が多いようですが間違いです。1位はクリクラです。2位のアクアクララや3位のコスモウォーターを結構引き離しての1位です。

くまおさんは元主要メーカー勤務の業界人ですから当然主たるメーカーの資料は持っています。
一応秘密保持等の関係もあるので詳しい資料のスキャン等はやめておきますが、一般に公開されているものは提示しても問題ないかなと考えています。

このページを閲覧している人はクリクラの販売代理店を検討して事業説明会に参加した人か、もしくはこれから参加を検討してる人だと想定して記事を書いていこうと思います。

まず、事業説明会への参加を検討しているのならさっさと参加して下さい。これはどのメーカーでも一緒ですが自分の目で見るのが一番です。迷っていないで参加です。たしかクリクラの事業説明会は2時間程度ですから話を聞いて資料をもらってきましょう。
クリクラ事業説明会申し込みページ

では、すでに事業説明会に参加したと仮定します。
クリクラの販売代理店は儲かるのか?という質問への回答は“その会社による”です。
ふざけるな~!とか言わないでください。事実そうだからです。

くまおさんはメーカー在籍時に代理店開発の仕事を担当していました。その中で多くの企業オーナーと面談しましたが、うまくいく人と、いかない人は大体わかりました。いくつかの判断基準があるのですがそれは後ほど述べます。

クリクラはリターナブルメーカーですから、販売代理店事業参入には販売倉庫や配送車が必要です。これは同じくリターナブルであるアクアクララやトーエル、朝霧のしずく等も同じです。
ウォーターサーバーはそれなりに大きいので倉庫もそれなりのサイズが必要です。そして配送車。これは軽自動車で始める人もいるようですが、やはり大型のバンを用意したいところです。

そしてクリクラの加盟金は、くまおさんの記憶では250万円だったかと思います。そこに研修費用等が含まれています。クリクラは販売ロイヤリティがなく代理店のタイプは2種類です。
1種類がプラント工場&営業&配送でもう1種類が営業&配送です。これはアクアクララも同じだと思います。

ウォーターサーバーのプラント工場は建設費数億円が必要なので多くの加盟店件は当初は2番目の「営業&配送」のタイプを選ぶことになります。

クリクラのボトル仕入れは4~5割程度で、サーバーは2~3万円です。サーバーの原価は概ねどこのメーカーでも同じくらいです。ボトル仕入れ代金は比較的良心的です。
アクアクララだと5~7割程度です。

上記を勘案すると初期費用で概ね500万円はかからないかな?という位です。色々な業界のFCに比べると比較的低額です。では実際に元は取れるのでしょうか?
例えば仕入れが4割だと仮定します。そうするとお水一本当たりの利益が約700円程度です。※売価から逆算しています。
初期投資が500万円だと6,666本で元が取れます。1顧客当たりの客単価は大体月間3本程度なのでお客さんが500件だとすると月間1,500本ですから4~5か月で資金回収が可能です。・・・あら、なんだかすごく儲かりそうですね?

でもね・・・そんなわけないでしょ!
これらの他にかかる経費は事務所経費や営業マンの人件費、配送員の人件費、倉庫家賃、保険・・・色々あります。
っしてサーバーも代理店負担です。500軒なら1,000万円です。

また、これはお客さんを順調に獲得できる事を前提にしていますから、もしもあなたが営業に自信がない場合、回収期間ははるか彼方です。
少なくとも2,000〜3,000万円は資金が必要になるでしょう。
それらを早くて5年〜で回収するというビジネスです。

ではお客さんは獲得できるのか?というのが気になりますよね。
これは「獲得できます」。ただし、条件があります。
田舎だから取れないということはないのでご安心下さい。むしろ田舎のほうが取れます。

それには、あなたに「洗練された営業力」があると言うことが最低条件です。
そしてこの「営業力」という力を備えている会社は残念ながら、地方の中小零細企業ではほぼ無いといえます。残念です。
くまおさんは全国各地を回って代理店募集の仕事をしていたので色々なエリアで色々な会社へ訪問しました。ウォーターサーバー事業に興味を持つ会社はあまり大きい会社ではありません。ほとんどが地場で経営をしている会社です。当然、中には素晴らしい会社も有りました。しかしながらほとんどの会社は「営業力」を持ち合わせていませんでした。

くまおさんはそういった企業へ訪問する際にちょっとしたテストをしていました。
それが電話です。その企業へ電話してみるのです。

受付「お電話ありがとうございます。〇〇の〇〇です。」
くまおさん「お世話になっております。〇〇のくまおさんともうします。〇〇社長はいらっしゃいますか?」
受付「いつもお世話になっております。〇〇はただ今外出しております。」
くまおさん「何時頃お戻りになるかわかりますか?」
受付「○時頃には戻る予定ですが、よろしければご用件をお伺いいたしますが。」
くまおさん「では○○とお伝え下さい。」
受付「かしこまりました。〇〇がお電話をお受けいたしました。その旨お伝えいたします。」

東京の高層ビル群に本社を構えるような会社はこの様な電話対応です。
これならOKです。

ところが地方の中小企業に電話するとこんな感じです。

受付「はい、○○です。」
くまおさん「お世話になっております。〇〇のくまおさんともうします。〇〇社長はいらっしゃいますか?」
受付「〇〇はただ今外出しております。」
くまおさん「そうですか・・・。何時頃お戻りにかわかりますか?」
受付「わかりません。」
くまおさん「・・・。では〇〇から電話があった旨お伝え下さい。」
受付「わかりました。」ガチャ

もっとひどい場合は
受付「はい」
くまおさん「・・・・。お世話になっております。〇〇のくまおさんともうします。〇〇社長はいらっしゃいますか?」
受付「いま、いませんけど。」
くまおさん「何時頃お戻りになりますか?」
受付「わかりません。何の御用ですかす?」
くまおさん「○○の件で、社長からお問合せいただいておりまして・・・」
受付「あ〜よくわからないのでいいです。」ガチャ
くまおさん「・・・。」

これは冗談ではなく実際にくまおさんが幾度と無く体験してきたことです。
下の2社の場合、これがもしもお客様だったら間違いないく解約です。

「いや〜、事業を始めたらそんな対応はしませんよ。ははっ」

などという経営者もいますが、これは治りません。企業が長年培ってきた文化です。
事業開始後も間違いなくこの対応です。こういった企業はウォーターサーバー事業で成功することはありません。

ですから「洗練された営業力」を持つ会社はほとんど無いといえます。上記の対応は「営業力」とは関係ないようにも感じますが、そのくらいの対応が自然とできない会社ではウォーターサーバー営業は難しいでしょう。

この「営業力」を最低条件として“負の感情”にフォーカスして営業する必要があります。
人は「ウォーターサーバーを買ったら素敵な生活が待っている」と言われるよりも、「ウォーターサーバーを買わなかったら不幸が訪れる」と言われたほうが契約しやすい傾向にあります。これは行動心理学という学問でも証明されており、プラスモチベーションよりマイナスモチベーションのほうが強烈に人々の決断に影響を及ぼす事を意味しています。

少し話が難しくなってしまいましたが、ウォーターサーバーは誰もが欲しがる商品ではないということを認識しましょう。無ければないで生活に支障はありません。震災時にウォーターサーバーが爆発的に普及したのは何故だと思いますか?「安全なお水が飲みたいから」ではありませんよ。「危ない水が飲みたくないから」です。

この2つの理由には大きな違いが有ります。この理由が理解できない人はウォーターサーバー営業には向いていません。もしも安全なお水が飲みたいのなら今でもウォーターサーバーば爆発的に売れているはずです。しかし市場の成長率は緩やかになっています。何故でしょうか?
これらが理解できる人にはウォーターサーバー事業は悪い選択肢ではありません。

そこまで考えて営業ができる人材が御社にはいますか?
おそらく社長のあなたくらいしかいませんよね?ということは・・・社長が自分で顧客開拓をしないと成り立たないビジネスだということです。

よく休日のイオンなどで「○○の美味しい天然水はいかがですか?お湯を沸かす手間が無いですし、いつでも冷たいお水が飲めますよ♪」などと営業しているコスモウォーターやうるのんの担当者を見かけますが、彼らはほぼ100%“取れない営業マン”です。

さて、収支計算に戻ります。
例えばあなたに営業力が有り、資金力もあったと仮定します。そしてなんとか顧客を500軒開拓したとしましょう。クリクラの営業は現場営業が主なので優秀な営業マンでも月間30件のお客様の契約で目一杯だと思います。実際には月間10件程度取れれば御の字です。
そうなると、営業マンの人件費だけで数百万円かかってきます。この数百万円が初期費用にプラスオンされます。
500軒だと、月間3本の使用で約4,000円です。月商200万円ということになります。
月商200万円で商品仕入れ、サーバー代、営業マン、配送員、倉庫代、家賃、保険、自動車・・・・・・・あなたの給料。
どうですか?やって行けますか?しかもこの段階ですでに2,000万円近く資金投下しているはずです。

ちなみに、営業マンと配送員を兼用することは止めたほうがいいです。営業マンに配送を任せると精神的にストレスの貯まる営業活動をサボるようになる為顧客が一向に増えません。

キャッシュアウトのポイントはまだまだあるのですがキリがないのでこの位にしておきます。

しかしそれだけ苦しい思いをしても、一度黒字転換すればよほどのことがない限り赤字転落しないビジネスだといえます。それがストックビジネスなのです。

では、冒頭に申し上げた上手くゆかない会社の特徴をお教えしまう。
もしも自社が当てはまっていると思ったら参入は諦めたほうが身のためです。

1.決断が遅い※数ヶ月以上検討中
2.本業での売上金額が大きい業種(ゼネコンや建築関係は要注意)
3.予備資金が1000万円以下
4.社長が陣頭指揮を取れない
5.5年間赤字だと耐えられない
6.ルート営業の担当者が会社の重役

とりあえずこんなところです。
業種で言うと失敗する確率の高いのが建設業です。建設業は普段大きな金額を扱っているため小銭商売に向いていません。事業の途中で馬鹿らしくなってしまいす。参入はやめましょう。
意外と上手くゆかないのが、新聞屋、牛乳屋、運送屋です。一見向いていそうな業種なのですがあまり成功している会社は見かけませんでした。
逆に成功確率が高いのがダスコン、LPG、リネンです。これは鉄板ですね。事業をよくわかっているので確率が高いです。また、従業員も自分の仕事がブルーカラーであることを認識しており、変なプライドもないため馴染みやすいといえます。

フレッツ系の回線訪販会社も上手くゆきません。その理由は給料体系です。フレッツほど高額のコミッションを支払えないため従業員が離脱します。

飲食店を経営しているような会社も概ね失敗します。飲食店は待ちの商売ですが、ウォーターサーバーは待っていてもお客さんがきてくれません。ですからこちらから攻撃を仕掛ける必要があります。でもそれがなかなか出来ないのが飲食店オーナーです。

また、その他フランチャイズをいくつも経営している様なオーナーは成功確率が高いといえます。

まだまだ沢山判断基準があるのですが全てをこのページでも網羅することは難しいようです。
そこで相談窓口を開設しますので、もしもくまおさんに相談したい方は下記よりご連絡ください。
ビジネスオーナーからのお問合せを原則とさせて頂きます。
また返信にはお時間がかかる可能性がありますのでその際はご容赦ください。

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