オリックスのコスモウォーター買収は間違いだと思う

オリックスが2015年にコスモウォーターを買収しました。
業界では大きなニュースになりましたね。買収金額200億円というウォーターサーバーとしては大きな金額です。
オーナー一族は買収後は経営にタッチしないようなので“売り抜け”と言えるでしょう。

ハッキリ言うね。これでコスモウォーターの快進撃は終わると思う。
200億円の価値はないはずです。確かにコスモウォーターは他社に比べれば圧倒的に利益率が高いと思われます。水源も自社水源ですしOEM出荷も多いため製品コストもかなり低いでしょう。ネットでの認知度も高くウェブではコスモウォーターが寡占していますので今後もしばらくはコスモウォーターの独壇場です。

でも・・・でも・・・いくら儲かると言っても所詮は100億程度の売上規模です。純利益は精々10億がいいところでしょう。200億では回収までに20年もかかってしまいます。コレだったら自社でウォーターサーバー事業を立ち上げたほうが良いかもしれません。
そしておそらくオリックスが見誤っているのが、不良顧客と衛生管理問題です。
これから衛生管理問題は噴出してくるはず。ウォーターサーバーを顧客に貸しっぱなしのビジネス形態が長続きするはずはありません。事業開始後ある程度の年月が経過しているので汚染サーバーが市場のいたるところに存在しており、地雷を30万軒抱え込んでいるのと同じです。しかもその顧客は全国にいるため回収や洗浄対応は実質不可能でしょう。これはかなり大きな足かせです。オリックスは知らなかったのでしょうか?

ウォーターサーバー業界はブルーカラーの職場で従業員の定着率もあまり良くありません。現在はネットでの顧客獲得合戦が大きな割合をしめていてそのやり方はかなりグレーです。いままでコスモウォーターは非上場企業でしたからその辺りも気にせずに突っ込んでいましたが、これからはそうはいかなくなります。しかしウォーターサーバー業界はまだまだグレーなやり方の方が顧客獲得にとっては有利です。ですからコスモウォーターが自主規制しておとなしくしている間にクリティアを筆頭にした光通信グループが攻勢を仕掛けてくるのではないかと考えられます。また最近ではサントリーがネット情報操作に力を入れ始めているために油断なりません。

現在、ネット上ではコスモウォーター一人がちですが、そのコスモウォーターに唯一対抗できるのが「フレシャス」です。
このフレシャスが2016年にauと資本提携を行い全国のauショップでなりふり構わず顧客獲得を始めました。おそらくいままでコスモウォーターに流れていた低リテラシー層が携帯ショップでフレシャスに刈り取られます。するとコスモウォーターの顧客獲得コストが上昇を始め、獲得件数が鈍化します。そしてオリックス傘下のコスモウォーターはテレビCMなどのクリーンな販促戦略に資金投下することになるでしょう。
これは膨大なコストがかかる割には成果が確認しにくい戦略です。失速の原因になります。

また、顧客件数が30万件を超え始めたコスモウォーターは“顧客解約が止まらない”という問題にも早晩突き当たる事になります。ウォーターサーバーの顧客月次解約率は1.5%〜2%程度なので毎月5,000軒付近の解約が発生します。この辺りもオリックスは見込み違いをしているのでは無いかな〜と勝手に想像しています。

その後、チャイナマーケットやシニアマーケットと言い出すでしょうから、その発言が出てきたら終わりだと思ったほうがいいですね。ウォーターサーバーはチャイナでは価格競争力が低すぎて売れず、シニアは財布の紐が堅いので売れません。

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