ウォーターサーバー事業で自社顧客の活用はうまくゆかない。
ウォーターサーバー事業に参入を検討するオーナーの考えで多いパターンで「自社顧客の有効活用」を挙げる人がいます。
結論から申し上げると“上手くゆきません”。
どの様な業種が多いかというと、LPG、新聞、牛乳、リネン、宅配弁当、介護レンタル、店舗商売あたりです。
これらの企業オーナーは自社顧客にウォーターサーバーを提案すればある一定数は契約になると思い事業参入を検討するのですが、その目論見は大体外れます。
と言うのもほとんどの場合で、紹介しても契約にならないからです。ウォーターサーバーは生活になくてなならない商品ではありません。それ自体は無くても生活が出来る商品です。ですから新たにお金がかかる商品で生活に直結していないものはあまり売れないのです。
それと、自社商品とのカニバリゼーションの問題も有ります。要するに食い合いです。例えば宅配牛乳の業者がウォーターサーバーをお客様に勧めたとしましょう。お客様からこんなことを言われます。
「じゃあ牛乳をやめて、ウォーターサーバーにするわ♪」
これでは会社としては意味が無いですよね?売上が移動しただけです。
LPGの事業者も結局のところ自社顧客まわりは早々に諦めて、新規顧客へ手を伸ばす傾向があります。ガス事業者は営業慣れしているのでそれなりに顧客獲得は可能です。
自社顧客活用が上手くゆかない決定的な課題が有ります。それが「顧客層の違い」です。
先に上げた業種の顧客層は概ねミドル世代以上です。しかしウォーターサーバー顧客層はそれよりも若い世代になります。若いファミリー世代は消費欲も旺盛で新しい物に興味を持ってくれます。しかしミドル以上の世代は説得するのが大変です。
では少し見方を変えて「店舗」を有しているオーナーの参入はどうでしょうか?
これも、「自社店舗にチラシを置いて、レジで声がけをすればある一定数は契約になるのではないか。」という淡い期待を持っているオーナーが多いようですが・・・ほぼ契約にはなりません。
いや〜残念ですね。上手くゆくと思っていましたか?上手くゆかないので考えを改めてください。
ウォーターサーバーの販促では「上澄みをすくう」か「不安を煽る」の2種類の方法があります。
上澄みをすくう方法は簡単です。案内すればそれだけで契約になります。
「わ〜ちょうど検討してたんですよ〜♪」という反応が帰ってくるお客様です。これも稀に存在します。
では不安を煽る方法ですが、上手に運用しないと反感を買います。これには洗練された営業力が必要になります。これらの営業手法はメーカーのトップセールスマンが知っていますので直接指導してもらうのが良いでしょう。
まとめると・・・自社顧客にウォーターサーバーを契約してもらうのは極めて困難である、と言えます。
参考までに、ウェルウォータというメーカーが有ります。これは九州ではそれなりの規模のLPG企業です。この企業はクリティアからOEM供給を受け事業を展開していました。しかし、思うように顧客数が増加せず昨年ウォーターダイレクト(クリティア運営元)に事業を売却しています。くまおさんの推測ですが、ウェルウォータは営業力の弱い会社ではないと思います。従業員数1000人以上の会社です。
それでも事業開始数年で自社での顧客開拓を諦めて撤退するのです。
https://www.saibugas.co.jp/newsdata/20150610_oshirase.htm
あなたの会社で大丈夫ですか?
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