ウォーターサーバーは低リテラシー層に売れる
ウォーターサーバーの販促企画を考える際に“ペルソナ”の設定をする事になります。
そしてこのペルソナ設定をメーカー担当者は勘違いしています。
よ~し、ハッキリ言おう!ウォーターサーバーはバカによく売れます。
あー言ってしまった・・・これってウォーターサーバーに限らず似たような立ち位置の商品は大体同じです。ダスキンとか生協とか・・・それが無くても生活に困らない商品に興味があり買ってしまう人がメインターゲットです。
メーカー担当者はこの辺りが分かっていません。その為ターゲットは「DINKS」などと言い出すわけです。もう最悪。そいつは首にした方がいい。所得の高い人は必然的に情報リテラシーが高い人が多くなります。彼ら彼女らは無駄なものにはお金を払いません。お金を持っていることと使うことは必ずしもイコールではありませんので、そこのところを認識する必要があります。
ウォーターサーバーが高級志向の贅沢品というジャンルが確立しているのであればその様な考え方も可能かもしれませんが、ウォーターサーバーは一般消費財であり高級品ではないためそれらには該当しません。
ですから、「サービスの向上」「顧客満足を高める」「付加価値」「客単価アップ」「クロスセル」等々の誰でも思いつく用な標語や目標を掲げているメーカーは確実に失速します。ここ数年でその傾向が見えるのがアクアクララとクリクラです。この2社は完全な伸び悩み時期です。キレイ事を言い出すとウォーターサーバー事業では顧客獲得が鈍化します。なぜなら顧客レベルがあまり高くないからです。
先に述べたサービスの向上等はある程度生活に余裕ある人に提供してこそ意味のあるものです。しかし、ウォーターサーバー顧客層はそこまで経済的余裕のある家庭ではない為、満足度を味わう余裕が無いのです。その彼らに上記施策は無効果です。
しかし上場企業や社会的地位のある会社はキレイ事を並べたがりますのでだいたい失敗するわけです。
実際の顧客層は携帯アプリで課金をしてしまう様な低リテラシー層です。それと世帯収入400〜600万円位の子育て世代ということになります。子育て世代は消費欲が旺盛で何でも欲しがります。ウォーターサーバーは少々セレブなイメージも手伝い獲得は容易です。
さあ皆さん想像してください・・・あなたが大手メーカーの企画担当者だったとします。
そのあなたは下記発言が出来るでしょうか?
「ウォーターサーバー利用顧客は知的水準が少々低く、消費癖の強いファミリー世帯です。携帯ゲームに課金してしまうような層がターゲットになりますので射幸心を煽る様な施策で攻めてゆきたいと思います。」
言えますか?絶対に言えません。そして言ったとしてもその企画は会議を通過することは無いでしょう。
上司同僚から白い目で見られ顰蹙を買います。
ウォーターサーバーメーカーの多くは昔ながらの企業体です。ガス会社が多いことも特徴の業界です。すなわち会社の上層部は「おじさん」だらけなのです。おじさんは今までのプライドがありますし、自分の立場を少々勘違いしている事も多くありますので今更こんな下世話な施策は打ちたくありません。そしてそれを露骨に言われてしまっては受け入れることは出来ないのです。
これが携帯ゲーム会社であれば話は変わります。みんな若いですから。しか~~~し、そのような会社はこんなに利益率の低い事業に参入しませんので下世話施策が会議を通過することは永遠にないでしょう。
でもね・・・そのことを良くわかっている会社があります。それが業界第4位のクリティアを買収した光通信です。
彼らは別格です。以前に光通信とクリティアの合弁会社であるアイディールウォーターのコールセンターにお邪魔したことがあるのですが、そこで感じたことは「この会社が本気になったらどこも勝てないだろうな・・・」ということでした。群を抜いて徹底している会社です。
彼らは電話でウォーターサーバーの契約を獲得する業務を行っていたのですが、その顧客ターゲットは「過去に光通信から何か契約している人」です。光通信の財産はその膨大な“リスト”だといえます。
少し噛み砕いて解説するとそのリストに記載されている人々は「光通信から買っちゃう人」なのです。
考えてみてください・・・少し気の利くビジネスマンなら光通信の事は知っています。悪名高き光通信です。新聞もよく賑わせていました。そういった情報リテラシーが高い人は光通信から物を買うことはありません。
逆に言うと光通信から買っちゃう人は知的水準の低い方という考え方ができます。そういったリスト客は財布の紐もゆるい傾向にあり、新しい商品を追加で購入しやす人々です。
そのコールセンターで質問をしました。
「電話で解約金やノルマなど色々と説明すると契約率が落ちませんか?」
彼らの回答は
「そこで脱落するような人には売りません。それでも契約になる人にのみ販売します。その方が解約も少ないですから。」
すごい・・・。この意味わかりますか?
色々と思考する面倒な顧客には売らないと言うことです。何も考えずに契約してくれる優良顧客のみすくい上げることに徹底しているのです。この様な営業を経験したことのない人には理解し難いかもしれませんが、こういったゆるい顧客はある一定割合で必ず存在します。
そこにのみ焦点を合わせるという高度な作戦です。これはもう数撃ちゃ当たる作戦ですから、当然、コールセンター担当者は疲弊しますのでその時は入れ替えです。
人海戦術を戦略的に活用している天才的な会社です。ある種ブラック企業の完成形なのではないかと思っています。
いや〜今日も暴露ったな〜。
この記事をユーザーが見たら嫌な思いをするでしょう。でもね、事実だから。そう、誰もおしれてくれないけど事実だから。
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